インプラントの歩き方
温泉療法に限らず一般的な物理療法である水治療法の作用としては、静水圧により利尿効果をもたらすことが挙げられる。
その機構は、生体に静水圧がかかることにより、全身から右心房に戻る血液量が増加し、右心房の壁を刺激することになり、それによりそこからANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)の分泌が促進されて、結果的に利尿効果をもたらすことになる。
また、腎臓の血流量も増加し、尿生成を増加させてくれる。
次に、温泉独特の泉質つまり成分効果について触れてみよう。
温泉中の無機物成分は主に皮層を通して吸収される。
吸収されやすい物質として、炭酸・鉄イオン・硫化水素・ヨウ素イオン・放射性物質(ラドン・トロンなど脂に溶けやすい物質)などが挙げられる。
これらの成分が代謝を活発化し、皮層の微小血管の血液循環を促進する。
また、泉水に溶けている塩類が皮層表面を覆って発汗を抑え、放熱を防いでくれる。
温泉に含まれている微量放射能は、自然放射能であるため、生体に効果的に働き(ホルミシス効果)、免疫機能を上げ、ガンの転移増殖を抑えてくれる。
また、浴温が高く、電解質の濃度が高いほど皮層吸収が促される。
泉質の体外からの吸収だけにこだわることなく、体内からの吸収だって刺激量が適度であれば、当然良い効果が期待できる。
体の内側からの吸収とは、飲泉のことである。
源泉の湯を飲むには、ある程度注意をしないと体がびっくりしてしまう。
たとえば、鉄泉なら、食後に100〜200ミリリットルを30分〜1時間かけてゆっくり飲むと吸収が良いといった具合である。
温泉には、総合的生体調整作用(非特異的変調作用)があり、温泉入浴の繰り返しにより、温度、水圧、泉質などの刺激が総合的に働いて、心身の調子を整えてくれる。
これらは、自律神経系、ホルモン系、免疫系等を介して諸機能を正常化させる。
その他、自然環境、運動、食事なども複合刺激となり、更なる相乗効果を生むことになる。
これらの効果が発現するのに必要とする期間は、人によって様々ではあるが、時間が許されるならば、一週間ほど温泉地周辺を散策しながらのんびり過ごすのが良いだろう。
温泉地で自然の食物、源泉を頂いて内側からきれいにするのと同時に、温泉に浸かることにより外側からもきれいになる。
日本の三大美人の湯である群馬県(K温泉》和歌山県(T温泉)、島根県(Y温泉)にでも行かれたらいかがだろうか。
食事療法生命の材料としての食。
食養生といったら、K・Mの名著『養生訓』を思い出す方が多いだろう。
これは、1713年、Mが晩年の84歳の時に書かれたもので、膨大な生薬、食材などについての記載があり、気についても積極的に採り上げている。
食物は、後天の精気といった気の塊であり、また、体内で様々な気といった機能的なものになるという東洋医学的な概念がある。
このような考えを踏まえると、酸素をはじめ様々な気体や、経皮的に浸透していく光線といったものも、食の範嬉に入れることはできる。
それはさておき、食というものは、様々なものに影響をもたらす。
断食療法で非行少年の更生に成功した話を耳にする。
愚見だが、いい加減な食生活により、脳細胞をはじめいい加減な体が出来上がり、そこより生まれる発想はやはりいい加減なのである。
よって、すぐ殺人等といった非人道的なことをしてしまう。
これに対し、食生活の乱れ以外の何らかの原因によって精神的に荒れ果て、精神障害を起こしてしまうこともある。
これら二者のうち、後者が問題である。
食生活をきちんとしていれば、心身一如たる所以で、体力、精神力も相関して強くなっていくものである。
しかし、正しい食事をして鍛え上げられたS・U氏の『新食養療法』は、言う事極端で、今の現代人には到底無理といった内容が書かれているように思われるかもしれない。
現在、頻繁に起きている戦争についても食を絡めて言及している。
飛躍しすぎているとお考えになる方もいると思うが、健康の真理はひとつであると考えれば、納得せざるを得ない。
戦争も心の病である。
心の病も食により生まれるのである。
S氏が述べている言葉をそのまま引用しよう。
心身が耐え得るストレスをはるかに凌駕するストレスが身体にのしかかった時などは、この限りではない。
基本的には、正しい食事によりストレスに打ちかつ身体を造り上げて欲しいものである。
その他、育った環境、教育、過酷な肉体労働の体験等の影響を多分に受けることは、言うまでもない。
自然の食物により、自然に肉体的、精神的に強くなるといった食養生の解釈からすれば、現在多い家族崩壊、離婚といった家庭問題に関しても、食生活から正していけば、半減せしめることができるかもしれない。
こう考えると、台所を握る人生の伴侶如何によって、自分の人生は大きく変わってしまうと言うことができる。
このように、食を正すことがいかに大事であるかがおわかり頂けたと思う。
食養生とは、簡単なようで奥が深く、人生において多分に影響を与える軽視できない養生法のひとつである。
「その勝手、わがまく、すき気まくの中でも最も重大なものは我々の衣食住の中の食の一部である。
我々が日常の食生活の中で好ききまく、をして、天然、自然、大宇宙の法則を破り、天の摂理に反くと云う事は世の中で最も恐るべき事であり、最も大きな罪悪である。
病気や心配や戦争はその罰なのだ」
これは、現代栄養学では全くない考えであるが、食は人間の基本的な物質なので、当然、思考に影響しても不思議ではない。
脳細胞も我々が食べた物からできている。
その人が何を食べているかでその人がわかってしまう、といったアフォーリズムは、見事に的をえたころで、「世界人類みな菜食で進化すれば、動物を殺すことなく平和な世界になるのに、なぜ、食文化の違いが生じたのだろうか」という疑問がでてきても不思議ではない。
しかし、そんなのんびりしたことも言っていられないのが、自然という厳しい世界なのである。
地理的条件、気候条件、人口の数、様々な要素が複雑に相互に関係しながら、長い時間をかけて食文化が築き上げられている。
これは、人類が自然と協調しながら、進化してきたことを意味する。
しかし、現代は、あまりにも科学が進歩しすぎたおかげで、生命という自然が、その変化に追いつけず、調和がとれないでいる。
少しだけ、自然の摂理に反した例を挙げてみよう。
食物が腐らないように保存できる保存料といった食品添加物の出現や、季節はずれの野菜、そして品種改良といったバイオテクノロジーの出現などがある。
また、よけいなお世話とも思えるくらい食べ易さにこだわった食品の簡素化は、代償として噛むことを忘れさせてしまった。
まだまだあるが、このような状況が人類を病気にさせてしまったことを、誰が否定できるだろうか。
昨今、健康食品がブームになっている。
しかし、日本だけでなく、FDA(米国食品医薬品局)の健康食品に対する偏見は物凄いもので、健康食品が病気を治すということを認めないどころか、それを言う者は罰せられる。
食物を通して身体を養生することは、無尽蔵にある可能性を引き出すことに等しい。
自然の食物である健康食品に対して規制を厳しくするとは、全く無意味なことをしているのである。
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